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東京高等裁判所 昭和63年(行コ)8号 判決 1988年6月27日

控訴人(原告) 柴山廣司 外四名

被控訴人(被告) 茨城県知事

主文

本件控訴をいずれも棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

一  控訴人ら及び控訴人ら代理人は、本件口頭弁論期日に出頭しないが、陳述したとみなされたその控訴状によれば、「原判決を取り消す。被控訴人が昭和六一年四月一六日付け都計指令第二一号をもつてした石岡都市計画事業・石岡駅東土地区画整理事業に関する事業計画において定めた設計の概要についての認可を取り消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求めたことになり、これに対して被控訴代理人は、控訴棄却の判決を求めた。

二  当事者双方の主張及び証拠の関係は、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  当裁判所もまた、控訴人らの本件訴えはいずれも不適法であると判断するものである。その理由は、次のように訂正するほかは、原判決の理由説示と同一であるから、これを引用する。

原判決書一九丁表六行目の次に行を改めて次の説示を加える。

成立に争いのない甲第三号証及び弁論の全趣旨によれば、本件事業計画において定める「設計の概要」は、設計説明書において、土地区画整理事業の目的として、石岡駅東地区は、都市基盤が未整備のまま市街化が進んだためスプロール化が進行し、劣悪な市街地となりつつあるので、幹線道路等の都市施設及び都市基盤を整備し、健全な市街地にしようとするものであるという趣旨をうたい、施行地区内の土地の現況その他当事者間に争いのない事実欄第二の五2(二)の摘示と同旨の事項を掲げ、整理施行前後における公共用地及び宅地ごとの地積の割合、保留地の予定地積、公共施設整備改善の方針並びに土地区画整理法二条二項所定事業として一時収容施設一〇戸を設け、各道路に上水道管を布設する旨を記載し、設計図を別紙として添付したものであると認めることができ、この認定に反する証拠はない。

原判決書一九丁表一〇行目「計画のうち、」の下に「右に認定した」を加え、同所一〇、一一行目「かかる事業計画における設計の概要は」を「これは、同法施行規則六条に準拠するものであつて、その土地区画整理事業の目的、施行地区内の土地の現況」に改め、同丁裏二行目括弧書きを削る。

二  よつて、控訴人らの本件訴えを却下した原判決は相当であるから、行政事件訴訟法第七条並びに民事訴訟法第三八四条、第九五条、第八九条及び第九三条に従い、主文のように判決する。

(裁判官 賀集唱 安國種彦 伊藤剛)

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